第197章 頼まれ事

「ドンッ」

背後から鈍い音が響き、福田祐衣の心臓が跳ねた。

間髪入れずに、小林さんの悲鳴にも似た声が上がる。「あらっ! 近藤さん、何やってるの!」

祐衣が振り返ると、ちょうど小林さんが床に倒れ込んだ近藤蒼大を抱き起こしているところだった。

包帯を巻いたばかりの傷口からは血が滲んでいる。彼は伏し目がちで、濃く長い睫毛がその瞳の感情を隠しており、少し伸びた黒髪が鼻筋にかかって、いかにも無垢で痛々しい雰囲気を醸し出していた。

祐衣は白杖を握りしめ、焦点の合わない瞳を見開き、驚いたように声を上げた。「どうされたんですか?」

蒼大が口を開きかけたが、小林さんがそれを遮った。

「ああ、福田...

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